金メダリストの復活も励みに 御嶽海、後輩2人から刺激

小俣勇貴
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 (17日、大相撲夏場所9日目)

 御嶽海にとって、絶対に負けられない相手だった。

 東洋大で2学年下の若隆景とは幕内でここまで3戦全勝。勝って「格の差を見せつけた」と言ったこともある。その後輩が今場所、番付で1枚下まで迫り、大関2人を倒してきた。

 立ち合い。まっすぐ突っ込んできた若隆景に対し、変化した。あっという間の決着。取組後の取材に応じなかったから真意は分からない。だが、勝ち続けるための選択だったのだろう。

 役力士として24場所目を迎えた28歳は、「続ける」ことの大切さを痛感してきた。

 幕内優勝は2度。関脇だった2018年名古屋場所と19年秋場所に賜杯(しはい)を抱いたが、いずれも翌場所に連敗を喫した。大関昇進につなげられず、「地位で言えば近いが、遠い」。勝ち続ける難しさに直面している間に、年下の貴景勝朝乃山らに先を越された。

 東洋大の後輩で、親交のある競泳の萩野公介へのエールは、自分への戒めのようだった。リオ五輪で金メダルを獲得した後、極度の不振に陥って休養した際に伝えた。「プロの道を選んだ者の責任として、遠回りをしたとしても、やり続けることが大事」

 4月、萩野が東京五輪の代表に内定したことが、励みになった。御嶽海は力を込める。「目標は変えない。ずっと(白星)2桁。そこしか見ていない」。2敗で首位の照ノ富士を追う今場所。悲願も追い続けている。小俣勇貴

 ○照ノ富士 自身4連敗中の高安との際どい勝負を制し、「良かったかなと思います」。後続に2差をつけたが、「自分の相撲を取るだけです」。

 ○豊昇龍 2日連続の大関撃破。おじの元横綱朝青龍には「場所が終わってから報告します。場所が終わるまで、自分の相撲しか考えないので」。

 ●貴景勝 埼玉栄高の先輩、大栄翔に敗れ、照ノ富士と2差に。「集中してやるしかないんで。また明日」と言葉少な。