石綿被害の救済基金、賠償確定の建材メーカーの分担は?

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野口陽
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 建設現場でアスベスト(石綿)を吸った健康被害をめぐる訴訟で、建材メーカー10社の賠償責任が確定した。今後は被害者を救う基金づくりなどで、業界側の負担や分担をどう決めるかが課題になる。だが、その根拠となる業界シェアなどの調査は難航しており、曲折がありそうだ。

 17日までに、少なくとも10社の賠償責任が決まった。建材が含む石綿を吸ったら重大な病気になる恐れがあったのに、包装などに警告を表示しなかった過失責任が認定された。確定しただけで賠償額は計2億円を超える。

 最高裁判決を受け、ニチアスは「最高裁の判決文を精査のうえ、適切に対処していく」とコメントを出した。エーアンドエーマテリアルは「コメントに関しては判決内容の詳細を確認できていないので、差し控えさせていただく」とした。他社のコメントも、これからの対応を慎重に見極めようとする態度が目立った。

 石綿の疾患は急速に悪化するため、迅速な補償が必要だ。政府や与党のプロジェクトチームは、全国で続く建材メーカーを相手取った別の訴訟もまとめて決着させることをめざし、統一和解基準を17日に示した。だが、示された基準は国が負担する部分にとどまる。

 訴訟を起こしていない被害者…

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