中国、MeTooは「西側の価値観」 日本人の被害者も

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北京=高田正幸
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 性被害を告白し、撲滅を呼びかける「#MeToo」運動が中国で壁にぶち当たっている。世界的ムーブメントの影響で、一時は法整備が進んだが、勢いは急速にしぼんだ。背景には運動を西側の価値観ととらえ、浸透することへの根強い警戒感があるようだ。(北京=高田正幸)

 「#MeToo」「セクハラは恥だ」

 昨年12月、零下の北京の裁判所に100人を超える人々が詰めかけ、プラカードを掲げた。輪の中心にいたのはSNS上で「弦子(シエンツー)」の名で知られる女性(28)。原告としてセクハラ訴訟に臨んだ。涙をにじませ、支持者が準備した「必勝」の文字を掲げてみせた。

 言論の自由が制限されている中国で、こうした光景は珍しい。参加者らによると、この日も警察が周囲を警戒する緊張した雰囲気のなか、弦子さんと面識はないのに、SNSの告知をみて駆けつけた人もいた。午後1時に始まった非公開の裁判は、弦子さんや証人への質問などが行われ、閉廷する頃には日付が変わっていた。それでも数十人が深夜まで待った。

 弦子さんは「裁判の結果がどうなるかは分からないけれど『性的暴力に反対』という私たちの訴えは広がっている。法廷前の光景を見て、そう思えた」と朝日新聞の取材に語った。

法も意識も変わってきたが

 大学生だった2014年、実習先の国営テレビで、著名男性アナウンサーから無理やりキスをされるなどの被害を受けたと訴えている。18年になって、男性を相手取って謝罪や損害賠償5万元(約85万円)を求めて訴訟を起こした。男性は否定し、逆に名誉毀損(きそん)で弦子さんを訴えた。

 17年に米国から広がった#…

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