第2回点検放置で幻となった「夢の原子炉」 もんじゅ廃炉へ

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室矢英樹、佐藤常敬
写真・図版
半世紀余り、高速増殖原型炉「もんじゅ」(奥)を見つめてきた地元の元区長・橋本昭三さん=2016年9月21日、福井県敦賀市
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 2013年5月13日付の朝日新聞朝刊1面に「もんじゅ 停止命令へ」の見出しの記事が載った。日本原子力研究開発機構が高速増殖原型炉「もんじゅ」福井県敦賀市)で1万点に及ぶ点検を放置し、原子力規制委員会が運転再開の作業を禁じることを特報した。

 この不正行為が、もんじゅ廃炉の引き金となった。

    

 「陸の孤島を豊かにしてくれた夢の施設だった」。冷たい風が吹きつける砂浜から巨大な原子炉建屋を見つめ、橋本昭三さん(92)は言った。

 15世帯が暮らす敦賀市白木地区の元区長。旧動力炉・核燃料開発事業団(現機構)の職員3人が自宅を訪ねてきたのは、1970年2月のことだ。「新しい原発を造りたい」。もんじゅ建設の申し出だった。これを逃せば、「集落は消える」と思った。港や道路が造られ、働き先ができた。

■「信じられないほどの税金」…

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