13歳愛犬が危篤 帰省中、上司からの電話が鳴り響いた

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若松真平
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 今から4年ほど前。職場で昼休憩中だったちなきちさんに電話がかかってきた。

 「もう、今晩でダメかもしれない」

 かけてきたのは母親で、実家で飼っている13歳の愛犬の状態を伝える電話だった。

 シェットランドシープドッグの「小雪」を迎え入れたのは小学生の時。

 小さなペットショップに寄った際、1頭だけ売れ残っていたのが目についた。

 臆病そうだったが、勇気を振り絞って近くに寄ってきてくれた。

 その姿を見て、両親も飼うことを了承してくれた。

 小雪は、自分の仕事が「お見送り」と「お出迎え」だと思っていた。

 夕方になると、窓から顔を出して家族の帰りを心待ちにしていた。その姿が今も忘れられない。

新幹線に飛び乗って実家へ

 電話で母が「明日まで持ちそうにない。最後に電話越しでいいからお別れを」と言った。

 このままじゃ絶対に後悔する。

 そう思って、仕事が終わり次第、新幹線で帰省することに決めた。

 翌日も仕事なので、朝一番で東京に戻ってこなきゃいけない。

 それでも、最後に直接「ありがとう」を言いたかった。

 18時半ごろに退社し、新幹線に乗った。

 駅まで父が迎えに来てくれたが、実家に着いたのは22時半を過ぎていた。

 小雪は、苦しそうに息を荒くしながら、横たわっていた。

 しばらくして、ちなきちさんの携帯電話が鳴った。上司からだった。

 「もしかして仕事でミスがあったのかも」

 退勤後に電話をかけてくるこ…

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