右翼の上映中止要求に監督が声明 劇場、観客に「感謝」

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 公開中のドキュメンタリー映画「狼(おおかみ)をさがして」に対し、神奈川県内で右翼団体が上映中止を求めて映画館に押しかけるなどしている問題で、韓国のキム・ミレ監督が18日、メッセージを発表した。妨害に対して「本当に哀(かな)しいことです」と述べる一方で、劇場や配給会社、観客に感謝の念を伝えている。

 「狼をさがして」は、1970年代に三菱重工本社などへの連続企業爆弾テロ事件を起こした「東アジア反日武装戦線」を追うドキュメンタリー。3月下旬から各地で公開されている。

 4月下旬から上映中の横浜市の「横浜シネマリン」では右翼団体の街宣活動が相次ぎ、館内にも立ち入ったが、同館は「暴力的、かつ的外れな抗議行動に決して屈することなく、上映を続けます」との声明を発表し、上映を続けている。

 一方、5月8日から公開予定だった神奈川県厚木市の「あつぎのえいがかんkiki」は、周辺での街宣活動の情報を受けて上映を中止。配給会社「太秦(うずまさ)」によると、厚木付近で代わりとなる上映をすべく調整中という。

 こうした状況を受け、キム監督は太秦を通じてメッセージを公表。「上映を批判する一部のひとたちが、映画とは全く関係のない事実無根のひどい言葉を投げつける姿を映像で見ました。本当に哀しいことです」と心情を吐露した。

 一方、映画を観(み)た人からはたくさんの作品評も受け取っており、「批判的なご意見も含め、日本にいらっしゃる皆様からの冷静で真摯(しんし)な言葉に接することができ、私としてもこの映画をつくって本当によかった」という。

 さらに、上映中止が広がらないよう尽力している劇場や配給会社、観客に感謝の念を伝え、「遠い過去から現在に至るまで、二つの国の間の波濤(はとう)を超え、友情と連帯をつないできた弱く貧しくも懸命に生きている方々と、これからも共に在りたい」との思いをつづった。

 キム・ミレ監督のメッセージ…

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