景気回復、鍵はワクチンだが…遅れるほど、高まるリスク

有料会員記事新型コロナウイルス

土居新平 橋本拓樹、三浦惇平 古賀大己
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 昨夏ごろから回復を始めた日本経済は2021年1~3月期、新型コロナウイルスの再拡大で再びマイナス成長に陥った。4~6月期にはプラス成長に戻るとの見方が強いが、再浮上のカギを握るワクチン接種には遅れが目立つ。コロナ禍の長期化で、企業の過剰債務などの新たな懸念材料も深刻化し始めている。

 13日夕、昭和の風情を残すスナックや立ち飲み屋が並ぶ東京・大井町の飲食店街には静けさが漂っていた。ほとんどの店が休業し、店先の貼り紙が「緊急事態宣言に伴い、休業致します」と告げる。4月25日に東京都内に出された3度目の宣言が延長され、5月31日まで続くためだ。

 「店内営業はあきらめるしかない」

 一角にあるおでん屋「八幸 すずらん通り店」の店主、中野政広さん(42)は話す。昨年から相次いだ営業時間の短縮や休業の要請にすべて従ってきた。コロナ禍の前に常連だった航空会社など大手企業の社員らがぴたりと来なくなり、今年1月以降の売り上げは例年の半分ほどだ。お酒を出さなければ宣言中も午後8時まで店内営業できるが、持ち帰りだけにしている。「おでんは酒ありきの料理だから。辛抱するしかない」と肩を落とす。

 昨夏ごろから回復基調を保っていた日本経済を再びマイナス成長に逆戻りさせた大きな要因は、1月から始まった2度目の宣言を受け、こうした外食産業などの対面型サービスに個人が使うお金が激減したことだ。

 総務省が11日に公表した家計調査をみると、2人以上世帯の消費支出は1~3月期の平均で27万6671円で、前年同期比で2・0%減と、急減速。1カ月を通して宣言下にあった2月のお金の使い方をみると、外食への出費は31・4%減。旅行関係も厳しく、パック旅行は92・2%減、交通費は43・8%減と、大幅に落ち込んだ。

 「巣ごもり需要」を追い風にパソコンやテレビなどの消費は活発だったが、消費全体をコロナ前の水準に引き上げるには力不足だ。

国内総生産(GDP)が、再びマイナス成長になりました。大きく影響したのはGDPの半分を占める個人消費が落ち込んだことにあります。一方で、自動車などの輸出は好調で経済を牽引していますが、そこにもリスクが。記事後半では、ワクチン接種が遅れるほど、経済回復への「重し」となる事情を紹介します。

 消費復活のカギは、経済活動の本格再開に欠かせないワクチン接種の進展だ。ところが、英オックスフォード大の研究者らが運営する統計によると、日本で1回でもワクチンを接種した人の割合は、人口の約3・5%。先進7カ国(G7)では、最低だ。

 三菱UFJリサーチ&コンサ…

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