「強行すれば選挙は負ける」入管法改正、追い込まれ断念

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岡村夏樹、野平悠一 伊藤和也、保坂知晃 編集委員・北野隆一
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 政府・与党が、出入国管理法改正案の今国会での成立を断念した。新型コロナウイルス対応などで菅政権の内閣支持率が下落するなか、追い込まれた末の判断だった。スリランカ女性の死亡事案の真相解明と、法案が抱える問題点という課題は残されたままだ。

 「野党が法務委員長の解任決議案を取り下げ、国会審議を正常化することなら、断念で進めて良いか」

 18日朝、自民党本部の幹事長室で、二階俊博幹事長らと向き合った森山裕国会対策委員長はこう切り出した。異論は出なかった。入管法改正案の今国会での成立断念が決まった。

 昼過ぎに国会内であった自民と立憲民主党の幹事長会談で、二階氏が立憲の福山哲郎幹事長に「入管法改正案については、これ以上審議を進めない」と伝えた。17日夕に、森山氏は参院幹部に「うまくまとめる」と語っていたが、成立断念に追い込まれた。

 衆院法務委では7、12日と2度にわたって採決を提案したが、野党に拒否され、先送りした。14日には立憲と法案の修正協議に乗り出したが、野党が求めるスリランカ女性が死亡した収容施設のビデオ映像の開示を受け入れられず、協議は決裂した。

 今国会は6月16日に会期末を迎える。参院での審議時間を考えると、成立には野党の反対を押し切って採決に踏み切るしか、選択肢は残っていなかった。

支持率の下落 都議選を控えた公明の反対

 採決を踏みとどまらせたのは、各社世論調査での菅内閣の支持率下落だった。

 新型コロナ対応をめぐる菅政…

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