「証しを残せ」鍛治舎監督の言葉 次の人生につながった

構成・安藤嘉浩
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 コロナ禍で中止となった昨年の第102回全国高校野球選手権大会。涙をのんだ昨年の高校3年生世代から、現役選手たちへのエールを伝えます。

青学大・佐々木泰選手(県岐阜商出身)

 昨年5月に夏の大会中止が決まった時、鍛治舎巧監督から「県岐阜商の選手として生きてきた証しを残せ」と言われました。それが何かは分からないけど、最後までしっかり学校生活を送ろうと思いました。

 7月の独自大会は校内で新型コロナウイルスの感染者が出て辞退になりました。それでも自分たちには、(選抜出場予定校による)甲子園交流試合があったので、モチベーションを保って練習ができた。結果として、夢だった甲子園で明豊(大分)と試合をし、自分は本塁打も打てた。つらいことがあっても諦めないで、仲間と一緒に頑張ったからだと思っています。

 自分たちは、高校野球をやり切ることはできなかった。だけど、次につながる3年間になったと思います。卒業して改めて感じたのは、これから先は長いということ。高校野球がすべてじゃない。だけど、そこで何らかの「証し」を残せたら、きっと次の人生につながります。

 野球を続けている仲間もやめた仲間も、それぞれ次のステージで頑張っています。連絡をとるたびに、自分も負けていられないと励みになります。

 みなさんも仲間との時間を大切にして下さい。自分は今でも、あの仲間と監督と、また一緒に野球をしたいと思います。あれほど団結して練習に打ち込めるのは高校野球だけです。それが当たり前の毎日でないことも、自分たちは経験した。この瞬間は二度と来ません。思い切り楽しんで下さい。(構成・安藤嘉浩

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 ささき・たい 2002年生まれ。県岐阜商で主将を務め2年秋の東海大会準優勝。中止となった昨春の選抜出場が決まっていた。青学大に進み、今春の東都大学で4本塁打。右投げ右打ちの三塁手。身長179センチ、体重80キロ。