農泊+リゾート 修学旅行誘致へ

大畠正吾
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 大分県内の農村民泊(農泊)団体と別府市のリゾートホテルが連携し、2泊3日の修学旅行商品を売り出した。新型コロナウイルスの感染拡大で利用者が減るなか、「体験」や「遊び」といったそれぞれの強みを生かして県内や九州各県から新たな誘客をめざす。

 連携するのは県グリーンツーリズム研究会(宮田静一会長、177軒)と、ホテルや遊園地を運営する城島高原オペレーションズ(後藤康男社長)。4月27日に宇佐市で業務提携の調印をし、一体型の旅行商品づくりやSDGs(エスディージーズ、持続可能な開発目標)の達成などに取り組むことになった。

 提携のきっかけはコロナ禍だ。宇佐市安心院町では2019年に約50軒の農家が北九州市などから約40校の体験学習を受け入れたが、昨年はコロナの影響で0件に。今年も予約はほとんど入っておらず、宮田会長は「来年もこの状態なら農泊の組織が維持できない」と心配する。

 城島高原ホテル(定員340人)も20年の宿泊者数が19年より42%減った。このうち修学旅行生の宿泊は県内からの利用が増えた一方で、県外校の利用が減ったため17%少なくなった。

 この苦境を打開するために着目したのが互いの特徴を生かした修学旅行の誘客だ。新商品は初日に城島高原ホテル、2日目に農泊家庭で過ごすプラン。城島高原ではオプションで木製コースター「ジュピター」など約35のアトラクションのある城島高原パークや湿原のトレッキングなどを楽しむこともできる。農泊は宇佐市由布市佐伯市などの約110軒に宿泊でき、野菜の収穫や郷土料理作りを体験する。

 料金は2泊4食付きで1万9千円(税込み)。コロナ禍のなか、県内の小中学校は修学旅行の行き先を近場にする傾向が強まっており、当面はこうした需要を取り込む。将来は関東や関西からの誘客にも期待している。

 受け入れにあたっては、農泊家庭では1部屋の人数を数人から2人に減らし、非接触型の体温計なども常備するなど感染防止に細心の注意をはらう。

 調印式で後藤社長は提携の効果について、「生徒らが県内に2泊することで(経済面などの)地域への貢献ができる」。宮田会長は「全国に約3千軒ある農泊家庭に提携という新しい形を示すことができるのではないか」と期待していた。(大畠正吾)