台湾、巣ごもりで冷房使い大停電 感染広がり「二重苦」
台北=石田耕一郎
新型コロナウイルスの感染者が急増している台湾で今月中旬、5日間で2回の大規模な停電が起きた。行動制限により猛暑で「巣ごもり」する市民らが冷房を使うことで、電力需要が高まったことも一因となった。コロナ対策への不満が募る中での停電騒ぎは、「二重苦」となって蔡英文(ツァイインウェン)政権を直撃している。
停電が起きたのは13日と17日。台湾全土でマンションの断水やエレベーター内での閉じ込め事例が相次いだ。13日は約5時間で約415万戸、17日も約50分間で約66万戸に影響した。
台湾ではこのところ、各地で最高気温が35度を超える猛暑日が続く。当局は、18日の新型コロナの域内感染者が240人と4日連続で3桁に達するなかで、28日までの小中高校の登校禁止を全土に拡大。台北市と近隣の新北市(計約663万人)では外出自粛や企業のテレワークも求めており、自宅で過ごす人々によるクーラーなどの電力使用量が急伸していた。
経済部(経済省)や台湾電力は、13日の停電を人為的な操作ミスとする一方、17日については電気の使用量が供給量を上回ったのが原因だと説明している。17日の供給不足は一時的に64万キロワットに上ったという。
蔡政権は原発廃止とともに…
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