中村哲医師の言葉を弾く 小曽根真、還暦の決意

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聞き手・真野啓太
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 ピアニストの小曽根真さんはジャズで世界的な評価を得ながら、40代からクラシックにも挑戦してきた。

 今年還暦を迎え、自身の集大成となるアルバム「OZONE 60」を3月にリリースした。

 その中にはアフガニスタンで凶弾に倒れた医師、中村哲さんに感化され、作った曲がある。アルバムを締めくくる「誰かのために」だ。約3カ月かけて作曲した。

 「今までは起承転結をつけた音楽を作ってきたんですが、あえてドラマを作らない曲を書いた。シンプルにピアノを弾く。どこかで誰かが喜んでくださる。その繰り返しが僕のルーティンで、これからはそれを大切に生きていきたい、というメッセージです」

 中村医師の言葉から命名した曲だ。

 中村医師と面識はなかったが、歌手のさだまさしさんから、話はよく聞いていた。

 「さださんから、とあるプロジェクトで『哲さんと一緒にできないか』とお声がけをいただいたこともある。それは結局、実現しなかったんですけど、存在は心の中にずっとあった」

 2020年2月、読売演劇大賞の贈賞式で、その言葉と出会った。

 「舞台演出家の栗山民也さん…

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