「2034米中戦争」の警告 台湾攻撃の幻想抱かせるな

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聞き手 編集委員・梶原みずほ
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 北大西洋条約機構(NATO)軍トップを務め、屈指の戦略家として知られるスタヴリディス米海軍大将(退役)が、米中戦争をテーマに小説「2034」を書き、反響を呼んでいる。舞台は13年後の南シナ海。誤解や判断ミスが重なり、事態は一気に悪化する。これは「警告の物語だ」という当人に、現実との向き合い方を尋ねた。

 ――地政学や海軍に関する著作のある提督が、米中の核戦争シナリオを小説で表現したのは意外でした。

 「国家は人間と同じように判断を誤り、自分の能力を過大評価します。核の使用まで踏み込んだら勝者はいません。小説という形にしたのは、読者が自らを登場人物と重ね合わせることで強く記憶に残るのではと思ったからです。核兵器の本当の恐ろしさを知っているのは被爆国である日本だけで、ほかの国々は常に想像力を働かせなければいけません」

 ――小説では好戦的な中国とは対照的に、NATOが弱体化し、米国はほぼ一国で立ち向かわざるをえない。これらは未来予想図ですか。

 「警告です。米国は分岐点にいます。日本や韓国、ドイツイタリアなど同盟国との関係を大切にして軍事演習を重ね、サイバー攻撃から守る技術やシステムの構築にともに取り組むか。それとも同盟国を過小評価して米軍を撤退させる過ちを犯すか。トランプ政権には後者の危うさがありました」

現実の世界で米中戦争を回避するには――。屈指の戦略家として知られるスタヴリディスさんは、五つの方法があると言います。「まず、中国は負ける戦いは始めませんから…」。米国や同盟国が取るべき戦略を、記事後半で語っています。

中国、負ける戦いは始めない

 「小説を書き始めたとき、2…

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