プロボクシング井岡の薬物違反「認定せず」 検査に不備

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 世界ボクシング機構(WBO)スーパーフライ級王者・井岡一翔(かずと)選手が昨年末の防衛戦のドーピング検査で陽性反応を示した問題で、検査を実施した日本ボクシングコミッション(JBC)は19日に会見を開き、検査手続きに重大な不備があったとして井岡選手のドーピング違反を認定せず、処分も行わないことを発表した。

 JBCが4月下旬に設立した医師や弁護士ら外部有識者を中心とした倫理委員会が18日、「違反を認定することは困難である」と永田有平理事長に答申した。

 防衛戦は昨年12月31日に東京都内で行われ、日本男子初の4階級制覇を成し遂げている井岡選手が、挑戦者の田中恒成選手を下した。

 倫理委の貞弘賢太郎弁護士によると、「JBCの検査手続きに重大な瑕疵(かし)があった」と判断したという。

 倫理委は答弁書で、JBCが試合当日に井岡選手の尿検体を採取してから最初の分析を行うまでの数日間、検体が冷凍保管されていなかったことによって検体に腐敗が起き、「偽陽性」を引き起こした可能性があることや、検査で違法物質につながる成分が検出されたことで警察に情報提供をした結果、井岡選手の再検査の要求に応じるための尿検体を保管することができなかったことを指摘。禁止物質を検出した2回の分析結果の有効性を認めず、井岡選手のドーピング違反を認定しなかった。

 JBCによると、国内の男子世界戦で禁止物質が検出されたのは今回が初めて。JBC今後、ドーピング検査の方法の見直しを検討するという。

 永田理事長は「検査態勢や情報管理のずさんさによって、井岡選手や田中選手、ファンの皆さんに多大なご迷惑、ご心配をおかけしたことをおわびいたします」と話した。