キャンセル分のワクチン、首長の接種容認 熊本県が指針

長妻昭明
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 新型コロナウイルスのワクチンをめぐり、首長が住民に先行して接種を受ける事例が全国で相次いだのを受け、熊本県と県市長会などは、キャンセル分のワクチンを市町村長にも打つことを容認する指針を19日、まとめた。県によると、ワクチンに関するこうした指針は全国初という。

 指針では、ワクチン接種会場で予期しないキャンセルが出た場合に、接種する対象者を定めた。接種会場の業務従事者や市町村長新型コロナ対策にあたる市町村職員、高齢者や障害者に対応するデイサービスの職員などを挙げた。市町村には指針を参考に方針を定め、ホームページなどで公表するよう求めている。

 キャンセル分のワクチンをめぐっては、茨城県兵庫県などの首長が一般の高齢者らに先駆けて接種していたことが判明し、議論を呼んだ。熊本県蒲島郁夫知事は14日に県の市長会長、町村会長と意見交換をした際、「ルールが決まっていれば、それに沿ってやれば問題はない」と県独自で規則を決める方針を打ち出していた。

 木村敬副知事は19日の会見で「市町村長が打ってはいけないという風潮があるが、打つ必要性は認められる。ただ、隠れて打つのではなく、あらかじめ住民に公表してから打ってほしい」と話した。(長妻昭明)

写真・図版
キャンセル分のワクチンの取り扱いを定めた指針について説明する木村敬副知事=2021年5月19日午後3時59分、熊本県庁、長妻昭明撮影