「接種完了、7月末の根拠ない」広島市、政府目標に反発

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比嘉展玖、大久保貴裕
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 政府が「7月末」までの接種完了を目指す高齢者へのワクチン接種。このスケジュールに公然と異を唱えたのが、中・四国最大の人口を抱える広島市だった。その背景に、いったい何が――。

     ◇

 「『ワクチンは確保した。とにかく期間までにやってくれ』。一方的に言われても、無理だ」

 広島市の阪谷幸春・保健医療担当局長は10日の記者会見で、政府に対する不満をあらわにした。この場で市が示した高齢者接種の完了時期は「10月初旬」。政府目標より2カ月半も後ろに設定されていた。

 背景にあるのは大都市の医療現場に広がる疲弊と、それを顧みない政府への不信だ。広島市で接種対象となる高齢者は中・四国地方で最も多い30万人超。政府目標の達成のためには、週あたり8万7千回の接種をこなす必要があるが、今のままの体制では3万8千回が限界で、遠く及ばない。

 最大の障壁となっているのが、接種に従事する医師の確保だ。市内では連日のように新規感染者が過去最多を更新。15日には市医師会長が「危機的な状況だ」との緊急会見を行うほどの切迫度で、市には現場の医師から「医療従事者へのワクチン接種を優先するべき。住民接種はその後だ」という批判まで寄せられた。

 ただでさえ接種をめぐる頭痛の種は多い。集団接種に向けた電話予約の初日となった15日には、コールセンターに40回線を用意したが「電話がつながらない」との苦情が殺到した。

 こうした現場の実情を踏まえ、市幹部は「政府から『7月末まで』の根拠がなにも示されていない」と反発。県内では全23市町のうち、福山市、世羅町も7月末までの完了が難しい状況だ。

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