飲食店の時短、効果は? オオカミ少年状態が招く危機 

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 新型コロナウイルスの感染拡大防止のためとして、飲食店には休業や営業時間短縮の要請が続き、閉店も相次いでいる。継続中の3度目の緊急事態宣言では、午後8時までの時短要請をしたうえ、酒類の提供を終日自粛するよう求める強い措置をとっている。予防医学が専門で、感染状況を独自に分析してきた東京慈恵会医科大の浦島充佳教授(59)に、飲食店の時短営業による感染抑制の効果について聞いた。

 ――3回目の緊急事態宣言が延長され、飲食店への時短や休業要請も続いています。感染抑制の効果は科学的に十分検証されているのでしょうか。

 データ自体が取れないので、科学的根拠には基づいていないのではないでしょうか。

 2回目の宣言の時、菅義偉首相が会見で「飲食でのリスクを抑えることが重要」と指摘しました。しかし、あれは矛盾した言い方です。6割の人たちの感染経路が分かっていないのに、「飲食で感染が広がっている可能性が高い」というのは、臆測で判断したのではないかと個人的には思いました。

 「A=B」「B=C」だから「A=C」は「演繹(えんえき)法」と言って、仮説を立てるときに使います。要するに営業時間を午後10時から8時に2時間短くしたら、その分、町の人出や飲食による飛沫(ひまつ)感染の機会が減る。その結果、少なくとも理論上は感染者が減ることが予測される。だから飲食店への時短や休業要請が正当化される。これは演繹(えんえき)法に基づくロジックで、予測というより仮説です。

 日本は割と、仮説が独り歩きして結局結論になってしまうパターンが多い。本来であれば、物事を観察し、得られたデータから法則を導き出す「帰納法」で仮説を検証しなければなりません。

理論にデータをあてはめている?

 ――なぜ帰納法的に考えないのでしょうか。

 本当の意味での科学的なエビ…

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