ベイチケット販売サイト、4千人が「行列」 批判の声も

伊藤大地
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 4月15日、ベイスターズファンから一斉に悲鳴があがった。この日、リニューアルされた球団公式のチケット販売サイト「ベイチケ」にファンが殺到。一時は4千人を超える「行列」がオンライン上にでき、購入するまで数時間を要する事態となった。パソコンやスマホの画面を開いたままにしないと、並んだ列を確保できない仕組みに批判が集中。その日、球場で観戦しながらサイトにアクセスした熱心なファンからは、「チケット販売が気になって、目の前の試合そっちのけでスマホを見ていた」という声も聞かれた。

 2011年に親会社がDeNAとなってから10年。地域密着をめざす「ボールパーク構想」を掲げ、スタジアムの球団所有を皮切りに、専門店にも負けない質の高い飲食や、ライト層を取り込むイベントに注力し、球団は生まれ変わった。かつて閑古鳥が鳴いていた横浜スタジアムは毎試合のように満員御礼。顧客中心主義を徹底し、12球団の中で屈指の人気球団となっていただけに、リニューアルでの「炎上」は思わぬつまずきだった。

 しかし、ここからの対応が早いのが今のベイスターズだ。

 事態を把握した球団は新システムの稼働を凍結。今月25日から始まるセパ交流戦のチケット販売は、旧システムに戻すことを決めた。技術的な問題もあったが、それ以上にファンにかかる負担を重く見た。「待ち時間の問題は、お客様にとって深刻な影響があると判断した」(球団広報)。

 トラブルは何が原因だったのか。当初の計画では、来場回数の多い「お得意様」から順にチケットを販売する制度で発売時期を分散させ、極端な混雑は起こらない想定だった。しかし、春先から新型コロナウイルスの感染者数が急増。先行きが不透明になり、チケット販売日程がずれこんだ。当初予定の段階的な販売ではなく、一斉発売にせざるを得なくなり、想定外の人数が殺到したという。

 新システムは、実際の座席写真を見ながら購入できるなど、メリットもある。批判の対象となった順番待ちの仕組みも、もともとは混雑時のストレスを緩和するためのものだった。当面は、実績のある旧システムで販売を続け、新システム改修のメドが立った段階で再度切り替える予定だ。

 苦しい戦いが続く今シーズン。それでもチケットを求めるファンは絶えない。(伊藤大地)