事務局長、偽造用名簿の一部用意か 逮捕前「提供した」

小林圭、村上潤治
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 大村秀章愛知県知事へのリコール署名偽造事件で、アルバイトが署名を書き写す作業で使われた有権者名簿の一部を、運動団体事務局長の田中孝博容疑者(59)が用意した疑いがあることがわかった。県警は偽造に複数の名簿が使われたとみて、入手ルートなどを調べている。

 田中容疑者は地方自治法違反(署名偽造)の疑いで19日に逮捕された。逮捕前の取材に、「後援会名簿を広告関連会社側に提供した」と話していた。広告関連会社側は複数の人材派遣会社を通じてアルバイトを募集。佐賀市内で昨年10月下旬、数十人規模のアルバイトが、名簿をもとに有権者の氏名をリコール署名用紙に書き写す作業をしたという。

 田中容疑者は1995年に県議選に初当選した。後援会名簿は政治活動を通じて集めたもので、名古屋市内やその周辺自治体の住民の氏名などが含まれていた。約7万人分だったという。今回の事件では、約43万5千筆が提出されたが、県選挙管理委員会は約36万2千筆について無効の疑いがあるとの調査結果を公表した。規模が大きいことから、県警は、専門業者が販売している名簿なども含め、複数の名簿が使われた可能性があるとみて調べている。

 田中容疑者と妻の田中なおみ容疑者(58)、次男の田中雅人容疑者(28)、事務局員の渡辺美智代容疑者(54)は20日、名古屋地検に送検された。4人は共謀して昨年10月下旬ごろ、県外でアルバイトらに指示し、愛知県内の有権者らの氏名をリコール署名簿に書き写させ、署名を偽造した疑いが持たれている。県警は4人の役割分担や資金の流れなどについても調べている。(小林圭、村上潤治)