コロナ禍、ろう児・難聴児の教育を支援 大阪市のNPO

寺尾佳恵
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 コロナ禍で孤立を深めるろう児や難聴児の「居場所」と、コミュニケーションを学べる場を広げようと大阪市中央区のNPO法人「Silent(サイレント) Voice(ボイス)」が奔走している。SDGsが掲げる目標の一つ「質の高い教育をみんなに」の視点から支援を行っている。

 マスク着用が日常の風景となり、今まで以上に人とのやりとりが難しくなった。口元が覆われ、声も聞こえず、「自分のことを話されているのではないか」と不安を感じる子もいる。聞き返すことが増え、友達から「しゃべりたくない」と言われ、地域の学校に通えなくなった子もいたという。ろう学校が休校になって自宅での時間が増え、手話がわからない親に気持ちが伝えられないという課題も浮き彫りになった。

 これまで、聴覚障害児のための総合学習塾「デフアカデミー」を開き、子どもたちが言葉を獲得し、諦めずに自分で考える力を養うことをサポートしてきた。基本は対面だったが、昨年5月にオンライン授業を始めると、久々に手話で話せることに涙を流す子もいたという。

 近くにろう学校がない地域の保護者らからの強い要望もあり、今年7月から大阪府の北摂と泉南の両地域で出張教室とオンライン授業を織り交ぜた新しいプロジェクトを始める。

 新事業は大阪府と村上財団(東京都)が共同で行う「コロナ禍における社会課題解決事業」にも採択された。6月末までに目標金額の300万円をクラウドファンディングhttps://www.pref.osaka.lg.jp/suishin/npo/index.html別ウインドウで開きます)で集めれば、同額の資金を村上財団から受けられる。スタッフの井戸上勝一さん(24)は「子どもたちが聞こえないことをマイナスに捉えず、自信をつけられる場を増やしたい」と話している。(寺尾佳恵)