第3回焼け野原から掘り出された宝 幻の泡盛、100年後の夢

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寺本大蔵
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 若い酒をつぎ足しつつ、長く寝かせるほどに味は丸みを帯び、甘く香り立つ。

 3年以上で「古酒(くーす)」と呼ばれるが、かつては300年ものもあったといわれる。いったい、どんな味に仕上がっていたのだろうか。

 1945年、沖縄。

 あの戦争で、多くの人の命や暮らしとともに、熟成された数々の「泡盛」が、破壊された。琉球王朝時代からの長い営みも、ぷつりと途切れた。

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だれもが知る沖縄生まれの名産の品々には、波瀾万丈な物語がありました。沖縄が日本に復帰して2022年5月で半世紀。現場を歩き、さまざまな表情を見せる素顔に迫ります。

 戦後。焼け野原となった首里のまちで、何日も土を掘り返し続ける男性がいた。男性は、収容所から戻ったばかりだった。米軍の攻撃で妻と娘1人を失っていた。

 ようやく掘り当てたのは数年後。土の中から三つの古い甕(かめ)が見つかった。一つは割れていたが、二つが無事だった。

 それから約70年後の202…

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