セオリー外のリーチ、Mリーグ制した 「誰が予想を…」

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藤田明人
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 マージャン(麻雀)のトッププロ選手がチーム対抗で競う「Mリーグ2020シーズン」は、「朝日新聞ファイナルシリーズ」で、EX風林火山が鮮やかな逆転で初優勝を飾った。リーグ創設3年目のシーズンを振り返る。

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初優勝を決め、優勝シャーレを手にする風林火山の(右から)勝又健志、二階堂亜樹、滝沢和典の3選手=Mリーグ提供

 今季は昨年10月に始まった。選手3~4人からなる8チームがまずレギュラーシーズン90試合を対局し、上位6チームがセミファイナルシリーズ(準決勝)に進出。16試合戦って、上位4チームがファイナルシリーズ(決勝)に進む形式で競われた。各試合にどの選手を出すかは、調子や相性などを考えて監督などが決める。

 決勝は12試合。準決勝までの成績は、渋谷ABEMASが首位で、2位のKADOKAWAサクラナイツと3位の赤坂ドリブンズを引き離していた。ABEMASの要の選手は、昨年、プロアマ合わせ約2万人が挑んだ「最強位」を勝ち取り、堅実な打ち手として知られる多井隆晴。著書を相次ぎ出版し、YouTubeの配信などでも多くのファンを獲得、名実ともに日本を代表する選手の一人だ。白鳥翔、松本吉弘、日向藍子の各選手も準決勝まで全員プラスで、死角が少なく優勝候補の筆頭とみられていた。

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渋谷ABEMASの(左から)松本吉弘、白鳥翔、多井隆晴、日向藍子の各選手と藤田晋監督=Mリーグ提供

 一方、二階堂亜樹、滝沢和典、勝又健志からなる風林火山は、準決勝までの成績はマイナス。3人とも勝ちきれない日が続き、決勝にはぎりぎりの4位で駒を進めていた。

 Mリーグのルールでは、各試合で1着になれば、一気に多くのポイントを得られる。しかし4人で競うので、実力が互角であれば、1着の確率は平均25%に過ぎない。12試合の短期決戦の中で、連続トップで差を詰めることは難しいと思われた。

 が、プロ野球の監督として5回日本シリーズを指揮した野村克也さん(故人)いわく「短期戦は何が起こるかわからない。誰がヒーローになるかわからない」(「短期決戦の勝ち方」祥伝社新書)。

 決勝はその通りの展開になった。ヒーローは、準決勝まで、風林火山の中で最も成績が振るわなかった勝又だった。早大卒で、知的なゲーム運びから「麻雀IQ220」の愛称を持つ勝又が本領を発揮し始めたのだ。

 決勝は5月10日に始まり、1日2試合ずつ、6日間にわたって行われる。

 初戦に臨んだ勝又は、試合終了直前に高い手をあがり、トップになった。風林火山は4位から3位に浮上したが、ABEMASの意識は、まだ2位のサクラナイツに向いていた。

劇的な逆転優勝を決めたEX風林火山。多井の選択は?勝負を分けたものは?自身も麻雀プロである筆者が振り返ります。

 麻雀は、自分の得点を目指す…

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