行基の供養堂、なぜ円形 ストゥーパ、多宝塔、天壇?

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渡義人、編集委員・中村俊介
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 古代建築の常識を覆す、方形の回廊と塀に囲まれた円形の建物。東大寺を真東に望む菅原遺跡(奈良市)で、類例のない不思議な構造物が見つかった。数々の社会活動で知られる奈良時代の高僧、行基の供養堂である可能性が高いという。が、この特異な構造の意味は? 研究者は一様に首をひねる。

好立地に行基の影

 「こんなもの、これまで見たことがない」

 「前例がない。驚きだ」

 古代史や考古学、建築史など専門家の口をついて出るのは、そんな当惑ばかり。早くも議論百出の気配が漂い始めた。

 供養堂で思い浮かぶのが法隆寺奈良県斑鳩町)の夢殿(ゆめどの)や興福寺奈良市)の北円堂、栄山寺(奈良県五條市)の八角円堂などだ。平面八角形の形式で、聖徳太子や藤原不比等ら時の権力者の供養施設とされている。

 もし今回の遺構を供養堂とみ…

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