「そんな段階ではない」 テレワーク要請の西村氏に反論

西村圭史
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 もう、そういう段階ではない――。20日、テレワークへのさらなる取り組みを要請した西村康稔経済再生相に対し、経済界側が「反論」する場面があった。経済界は新型コロナウイルスワクチン接種の加速化や、迅速な経済支援策などを相次いで注文。西村氏は「私の立場からも努力をしていきたい」としつつ、重ねてテレワークへの協力を求めた。

 コロナ対応を担当する西村氏はこの日、中京圏と九州圏の経済団体とテレビ会議に参加。西村氏は冒頭、「中京圏、九州圏は感染が厳しい状況で、医療の逼迫(ひっぱく)もある」と指摘。「平日の昼の人流を減らすため、テレワークをお願いしたい」と述べ、出勤者を減らす努力を求めた。

 政府はテレワーク実施による「出勤者数7割減」を目指し、19日からは企業や団体の取り組み状況を公表している。西村氏は、この公表に協力したのが中京圏で10社、九州圏で7社のみだったことも指摘した。

 テレビ会議に参加した各団体は、西村氏の要請に協力する考えを表明したものの、感染拡大防止策としてテレワークを強調する西村氏に対しては異論が噴出。名古屋商工会議所の山本亜土会頭は「もう、そういう段階で解決できるのはちょっと厳しい」と反論。「現状を打破する唯一の手段はワクチンの接種だ。これ以外に有効な手立てがないんじゃないか」と訴えた。

 続いて中部経済連合会の水野明久会長は「いずれにしてもワクチンの接種が広がっていかないと収束に向かわない」と主張した。さらに国の支援策について「申請してから支援金、補助金が下りるまでにかなり時間がかかる」と指摘し、「小規模なところは現金をとにかく回していかなくちゃいけない。迅速性を増してもらいたい」と求めた。

 西村氏は経済界からの思わぬ反発に、「ワクチン接種が円滑に進むように、私の立場からも努力をしていきたい」と応じた。そのうえで、「それまでの間、この緊急事態宣言のもとでなんとか感染をおさえていくために、ご協力を改めてよろしくお願いします」と訴えた。(西村圭史)