安倍前首相や知事の好感度は? 奈良県調査「違法なし」

渡辺七海
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 安倍晋三首相(当時)や奈良県荒井正吾知事らへの好感度などを尋ねた県の「政治意識調査」が違法かが争われた訴訟の判決が20日、奈良地裁であった。島岡大雄裁判長(寺本佳子裁判長代読)は「行政の公平性や中立性に違反して違法だとはいえない」として原告側の訴えを棄却した。

 県は2019年、無作為抽出した県内の18歳以上の男女2千人に調査を実施。同年の県知事選や参院選の投票先を聞いたほか、安倍首相や荒井知事、大阪都構想などへの好感度を温度(0~100度)にたとえて答えるよう求める質問もあった。

 住民側は「選挙活動に利用したり、世論を誘導したりするために恣意(しい)的に設定された質問で、違法」などと訴え、調査の委託料などにあたる約746万円の支払いを求めていた。

 判決は、県民が「行政の中立性に疑義を抱くことは理解できる」とした一方、荒井知事の意向を反映し、恣意的に設定された質問とは認められないと指摘。地方政治の活性化といった調査目的と関連性がない質問とはいえないと判断した。

 原告側は「投票の秘密や思想良心の自由を侵害する」とも訴えたが、判決は「調査は無記名であり、回答者を特定できない」などとして退けた。(渡辺七海)