大関の責任と自覚どこへ 虚偽報告した朝乃山の愚行

竹園隆浩
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 熱戦が続く大相撲夏場所に、土俵外の残念な知らせが届いた。12日目の20日から休場した大関朝乃山(27)=高砂部屋=の新型コロナウイルス感染対策のガイドライン違反の疑いだ。

 朝乃山緊急事態宣言下の5月7日に接待を伴う飲食店に出入りしていた疑いがあると報じた週刊誌報道が全て真実かはまだ分からないが、本人は一部を認めたという。本当なら、角界の顔でもある大関が事実を隠して土俵を務めていたことになる。

 軽率な行動はもちろんだが、完全に信頼を裏切ったのは日本相撲協会側に「事実無根」と虚偽報告をしたことだ。納得いかない部分があったかもしれないが、さらに愚行を重ねた形になった。

 初優勝し、大関に駆け上がった頃は勝敗は抜きにして、真摯(しんし)に土俵に向かう姿勢が感じられた。課題の左手の使い方などを試行錯誤して鍛錬していた。ところが、最近は地位に甘んじたのか。取り口の工夫も覇気も、伝わってこない。

 一度は看板力士の主張を「信じるしかない」とした芝田山広報部長(元横綱大乃国)は「コロナ禍の大変な時に本場所に大きな穴を開けた。重大な不祥事。責任どころじゃない大責任」と怒りを隠さない。

 阿炎は同様の行為で3場所出場停止処分だった。期待の大きい日本出身の横綱候補だが、さらなる厳罰はやむなしだろう。そうでなければ、角界内外に示しがつかない。(竹園隆浩)