かつて民業圧迫、今は駆け込み寺 政投銀に支援要請続々

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山下裕志、伊沢友之、若井琢水
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 政府系の日本政策投資銀行が、新型コロナ危機で苦しむ飲食・旅行関連企業などの「駆け込み寺」になっている。弱った財務基盤を強化できるように、民間金融機関より有利な条件で借りられる支援策があるためだ。菅政権の肝いりで始まった取り組みだが、大盤振る舞いはリスクも大きく、審査の目を問われそうだ。

 20日の決算会見で政投銀は、3月下旬に始めた新支援策に約160社が申し込み、投融資にすべて応じると3千億円規模になると明かした。応募企業の約8割が飲食・宿泊関係。飲食の中堅以上の上場企業は100社ほどで、その半数超から相談が来ているという。

 災害などの危機時に政府の支援を受けて政投銀が貸す危機対応融資は、2020年度に前年の3倍の2・8兆円。そこに、全中堅企業と、飲食・宿泊分野の大企業が対象の新支援策も加わった。営業規制や外出自粛のあおりで傷んだ財務基盤を強化するため、通常より低コストで資金を注入する内容だ。

 飲食・宿泊の大企業の場合、資本とみなせる「劣後ローン」を借りると金利は通常5~8%ほど。だが、新支援策は当初3年間が1%で、その後も3%で済む。政投銀が組んだ500億円のファンドから「優先株」の出資を受けられるしくみも設けた。企業の負担となる配当率は4%と通常の半分ほどだ。

 早々に手を挙げたのが、居酒屋チェーンなどを展開するワタミ。120億円の優先株による出資を申し込んだ。21年3月期決算は売上高が前年比33・1%減で、純損失が115億円の赤字。渡辺美樹会長は決算会見で「資本支援は非常に有効で大きい。銀行から融資さえ受けられない状況。これ以上融資を受けると債務超過になる、ギリギリで戦っている」と語った。

 旅行業界でも、20年9月中間期に過去最大の純損失を出したJTBが優先株による出資を求めている。JTBは「財務の健全性の確保や今後の需要回復を見越した成長投資に向けて、あらゆる手法の検討を行っている」(広報)という。

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