5700郵便局で取引書類紛失 揺れる日本郵政グループ

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西尾邦明、藤田知也
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 全国約5700の郵便局で、金融商品を取引した顧客の情報を含む書類を紛失していたことがわかった。少なくとも6万7千人分の記録が保管されていなかった。日本郵便とグループ会社では今回を含め、不祥事が相次いでいる。総務省日本郵便と親会社の日本郵政への監督指針を初めてつくり、コンプライアンスの徹底を求める方針だ。

 関係者によると、昨年末から日本郵便が過去10年分の書類の保管状況を調べている。調査は9割ほど終わった段階で、紛失数がさらに増える可能性がある。総務省金融庁は調査結果を踏まえて、行政処分を検討する。

 日本郵便などによると、紛失が多発しているのは投資信託や国債などを取引した際の「金融商品仲介補助簿」だ。顧客の氏名や銀行の口座番号、取引額などがあり、法令で作成・保存が義務づけられている。社内規定では10年間の保存義務があるが、誤って廃棄されたり、作成されていなかったりする可能性がある。

総務省は監督指針作成へ

 日本郵便は取材に、「(紛失分は)廃棄したと考えられ、情報が外部に漏れた蓋然(がいぜん)性は低い。今後は情報の適正な取り扱いを改めて徹底する」としている。

 郵便局でマイナンバーカードの一部手続きや、転出届の受け付け業務ができるように、政府はいまの国会で法改正をした。郵便局で扱う個人情報は増える方向だが、情報管理のずさんさが際立っている。

 20日の総務省有識者会議では、日本郵政日本郵便への監督指針案が示された。利用者保護やコンプライアンス態勢などを評価項目として挙げた。郵政グループでは保険の不正販売なども発覚していて、管理体制の強化を促す。これまでも総務省に監督権限はあったが、具体的な指針はなかった。意見公募などを経て夏までにつくる。(西尾邦明、藤田知也)

人員削減、局数は維持

 日本郵政の経営が揺れている。民営化から14年が過ぎたが収益改善の道筋は見えない。2025年度までの中期経営計画では、郵便局の数は維持したまま雇用を減らす方針だ。不祥事も続発しており、信頼回復の道のりは険しい。

不祥事が続く日本郵政グループ。収益の改善も見通せぬ現状の課題を記事の後半で紹介します。

 総務省有識者会議が20日ま…

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