九州の孤立出産ゼロに 慈恵病院がパンフレット作製

堀越理菜
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 親が育てられない子どもを匿名で預かる「こうのとりのゆりかご」(赤ちゃんポスト)を運営する熊本市西区の慈恵病院が、孤立出産をなくそうと、産婦人科や行政機関向けのパンフレットを作製した。病院で対応が難しい場合などに慈恵病院を紹介してほしいと呼びかけるもので、約3千部を6月ごろから九州各県の病院などに送る予定という。

 医師や助産師が立ち会わない孤立出産は、母子の命に危険が及ぶだけでなく、母親が新生児を遺棄するなどして刑事事件につながることもある。慈恵病院にはこれまで「経済的な困窮で病院を受診できない」「未受診のまま週数が進み病院で受け入れを断られた」といった相談があったほか、ゆりかごに新生児が預け入れられた例もあった。一方で、行政が相談者に慈恵病院を紹介するなどして孤立出産を防げた経験もあったことから、パンフレットの作製を決めたという。

 パンフレットはA4サイズで、慈恵病院を紹介し、お金や保険証がない人や妊娠の事実を知られたくないという人などに、同院の存在や連絡先を伝えてほしいと訴える内容。母親に渡してもらえるように、同院の連絡先などが書かれたカードも作った。

 紹介状は必要なく、相談があれば、同院で公的支援の紹介やカウンセリング、陣痛が起きた場合の緊急の対応などをする。隣県なら緊急時に直接迎えに行くことなどもできることから、沖縄以外の九州各県の病院などへ送ることにした。

 蓮田健院長は「相談業務は孤立出産を防ぐのに効果的だが、取り組みが知られていない。九州の孤立出産ゼロを目指したい」と話している。相談は、病院のSOS相談窓口(0120・783・449、24時間無料)や、病院のホームページ(http://jikei-hp.or.jp/別ウインドウで開きます)で受け付けている。(堀越理菜)