代替イージス、膨らむコスト 迷走の責任負うべきは

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編集委員・藤田直央
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 陸上イージスの代わりとなる代替艦の総コストは、少なくとも9千億円近く――。政府が代替艦の導入方針を決めた昨年末時点で、表に出されない試算が存在していた。国を守る兵器がますます高額になり、政府にはコストやリスクを管理し説明することが一層求められている中で、その能力の欠如が露呈した。

 兵器調達は陸海空の自衛隊の要望をもとに調整するのが従来の手法だが、陸上イージスの導入は「新たな脅威」への対応として安倍前政権の政治主導で決まった。北朝鮮の相次ぐ核実験ミサイル発射を受けた自民党の提言も踏まえ、弾道ミサイル防衛強化を2017年末に閣議決定。米国のトランプ前大統領は「バイ・アメリカン(米国製品を買おう)」を唱えていた。

 だが、慌ただしい配備へ防衛省の態勢は整わないままだ。開発した米側に値を上げられる一方、候補地への説明をどの局が担うかでも混乱。性能を詰め切れないまま、住民に約束した安全対策がのちに困難とわかり、導入断念に追い込まれるずさんさだった。

 菅政権は昨年末、住民のいない「海上」で仕切り直す形で代替艦導入を閣議決定した。だが、今回明らかになった、それが陸上イージスより高くつくという試算は、閣議決定より前の昨年11月時点のものだ。しかも今後の米側との交渉でさらに高くなりかねず、防衛省は説明できない悪循環に陥っている。

 首相官邸や自民党には「安価…

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