罵声浴びて体調崩した娘 スポーツでまかり通る「虐待」

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木村健一
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親の役割って?

子どものスポーツの現状を掘り下げる連載「子どもとスポーツ」の第3シリーズ。今回は親の関わり方について、現場のルポやインタビューなどを通じて考えていきます。

 「お前は意味がない」「お前のせいで負けた」

 東京未来大教授の藤後(とうご)悦子さん(48)は13年前、悩み、苦しんでいた。

 関東地方の強豪ミニバスケットボールチームでキャプテンを務め、小学6年生だった長女が練習や試合で、複数のコーチから罵声を浴びせられていたからだ。

 夏の合宿では延々と走らされ、脱水症状と過呼吸で倒れ、救急車で病院に運ばれた。藤後さんは、病院の待合室でコーチに提案した。

 「主将の頑張りを他の子に見せたかったと言うけれど、娘には伝わっていません。子どもたちの気持ちに寄り添えば、素晴らしいチームになれると思います」

 それでも、藤後さんが「虐待」と感じる指導は続いた。

勇気を出し、コーチ陣に直訴すると

 長女は体調不良になった。藤後さんも体調を崩し、不整脈も出た。「自分が授業をしていても、娘が『お前のせいで負けた』と言われる場面が浮かんできて」

 娘がチームに入ったのは小学4年の時だった。当時、藤後さんは「子どもの自己効力感をどう育むか」や「地域で子どもが育つには」について研究していた。コーチが選手を怒鳴る指導は「虐待」と感じた。「保育の現場では虐待に入るのに、なぜスポーツでは正当化されるのか」。疑問を抱きながら、娘の学年が下だったこともあり、何も言えなかったという。

なぜスポーツでは「虐待」のような指導がされるのか。藤後さんは問題の広がりに気づき、チームへの親のニーズにも原因を求めます。

 娘が最高学年になって主将に就くと、指導は一層厳しくなった。

 どうすれば、「虐待」のような指導はなくなるのか。長女は元気になってくれるのか、悩んだ。

 役所を訪ねると、「指導はボランティアでやってくれているわけですから……」。「法テラス」に相談すると、「任意でチームに入っているので、やめる選択をするしかないのでは……」と言われた。

 藤後さんは、勇気を出した…

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