司令塔のキックが鍵 ラグビー決勝を専門コーチが占う

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構成・野村周平
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 パナソニックサントリー。ラグビー・トップリーグプレーオフ兼日本選手権決勝(23日午後1時10分、東京・秩父宮ラグビー場)は、ともに国内外の一流選手を擁する強豪同士の対戦となった。わずかな差が勝敗を分ける大一番。日本初のプロキックコーチの君島良夫氏(37)に、独自の視点からの展望を聞いた。

 準決勝を見る限り、サントリーが少し優位だと思います。理由はゲームコントロールの多彩さ。準決勝のクボタ戦は雨対策としてキックを増やしましたが、球が滑らない状況ならば自陣から積極的に球を動かすこともできる。

 判断ミスの少ない両チームですが、サントリーは司令塔のSH流(斎藤)、SOバレットに迷いがない。リーダーの判断にみんなが連動して動く癖がついている。パナソニックのSH内田(小山)、SO松田(山沢)より、選択肢の多さ、判断の的確さという点で上に見えました。

 準決勝では、両チームともに興味深い事象がありました。

 パナソニックが開始早々、トヨタ自動車からノーホイッスルトライを奪った場面。あのムーブ(動き)はこれまで見せてこなかったものです。ラックを重ねながら連続攻撃を繰り出す持ち味ではなく、FW、バックスを織り交ぜて数的優位を作り、一発で取り切っていました。

 サントリーも、キックを追う場面で驚きがありました。流れが停滞した場面での流からハイパント。右奥に蹴り、そこで身長206センチのFWホッキングスが競り合いました。本来なら競り合うのは右WTBの中鶴なのですが、空中戦が強いホッキングスを戦略的に配置したのです。

 クボタ戦ではあまり機能しませんでした。もし決勝でこうしたプレーを使うなら、キックの滞空時間と飛距離を修正して競りやすくしたり、高さがある左WTB江見の方向に蹴ったりして再獲得を狙うでしょう。

 いずれも決勝へ向けて分析する相手に対して、「新しいことをやってきているな」と警戒させる効果があります。

■なぜバレットは特別なのか…

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