第3回人手も病床もない、保健所パンク 行き届かない定期連絡

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矢田文 竹野内崇宏 長富由希子
【動画】大阪府内で自宅療養する新型コロナウイルス感染者を支える往診医に同行した=ファストドクター提供、映像の一部を加工しています
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連絡まで1週間超かかることも

 新型コロナウイルスの感染が拡大した大阪府内で、コロナ患者や家族の対応にあたってきた現場の保健師や保健所長が、朝日新聞の取材に応じた。保健所は大型連休前後には「パンク状態」で、感染者への連絡に1週間以上かかるケースもあった。最近では新規感染者数が減少傾向にあるが、保健師によると自宅療養者らへの定期連絡が半数しかできない状態が続いているという。

 保健所はまず、医療機関からの届け出を受け、ウイルス検査で「陽性」と診断された感染者に連絡する「起点」となる。職員は原則当日中に、感染者に連絡することになっている。

 大阪市内の保健所では3月末以降、感染者の急増で当日中に連絡できないケースもある。4月末には、感染者から体調を聞き取り、感染経路や濃厚接触者がいるかなどを調べるための連絡が、1週間以上かかることもあったという。担当者は「(感染者の)気持ちは十分理解できるが、こちらももうギリギリのところで運営している状態だった」。

 現在はピークに比べれば落ち着いたというが、連絡が2日後になることはあるという。担当者は「落ち着いたとはいえ、決して楽にはなっていない。こんなことを言ってよいかわからないが、職員もいつ倒れてもおかしくない」と語る。連絡が翌日以降になる例は「第3波」のピーク時にもあったが、「第3波をはるかに超え、今回は多すぎる。もはや普通の状態じゃない」。

■「週1でも助けて」保健師急…

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