米ボクシングチーム 金メダルを「買いに」向かった先は

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河崎優子
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かつて靴を販売していた棚にはグローブやヘッドギアが干してある=5月、米国コロラド州、米国ボクシング連盟提供
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 新型コロナウイルスの感染者数・死者数ともに世界最多の米国。アスリートらもあおりを食った。ボクシングの五輪代表候補選手らは昨年3月、拠点としていたトレーニングセンターが閉鎖され、練習場所の開拓を余儀なくされた。自宅の車庫、ホテルの宴会場、テントを張ったテニスコートなどを経て、ユニークな場所にたどり着いた。

 コロラド州にある五輪・パラリンピック選手のトレーニングセンターから車で5分ほど。ショッピングモールのそばに、10年ほど前に閉店した百貨店「メーシーズ」の建物が残っている。1階の一角、射撃チームが練習する隣に、ボクシングチームが新しい拠点を置く。四つのリングが設置され、サンドバッグが10個、ランニングマシンや室内用の固定自転車なども並ぶ。

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レジと書かれた柱が残る旧百貨店でトレーニングに励む選手ら=1月、米国コロラド州、米国ボクシング連盟提供

かつては紳士服売り場

 一見立派な「ジム」だが、かつて紳士服売り場だった名残もある。機器のそばにある柱には「レジ」の看板があり、選手のグローブやヘッドギアが干してある棚は、昔は靴を販売していた場所だ。男子スーパーヘビー級内定のリチャード・トレズ選手(21)は「まるで(ボクシングの)ロッキー映画の中にいるような気分」。暖房設備が古く、冬の合宿はとても寒かったが、スタッフが調達したストーブでしのいだという。

 米国ボクシング連盟事務局長のマイク・マカティさん(57)は「ようやくホームと呼べる拠点をつくることができた」と話す。

 ここにたどり着くまでに、様々な場所を転々とした。チームが拠点としていたトレーニングセンターはコロナの影響で昨年3月に閉鎖。選手らは5月、それぞれの自宅に帰り、家の中や車庫で個人トレーニングを重ねた。

 その間、連盟はチームの練習場所を探し回った。マカティさんは「世界一になるには練習を止めてはいけない。選手が安全にトレーニングを続けられる環境をなんとかしてつくりたかった」。

テニスコートにテントを張って…

 最初に見つけたのが、過去に…

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