投手経験まだ3年 西武の20歳は地元の星、公立の希望

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山口史朗
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 約2週間ぶりの連勝へ、西武の九回のマウンドを任されたのは、本格的に投手になってまだ3年ほどの右腕だった。

 21日の日本ハム戦。7―1とリードした場面で、松岡洸希がマウンドに上がった。横手から最速は149キロ。打者3人を5球で抑え、試合を締めくくった。

 ライオンズファン以外には、まだなじみの薄い名前かもしれない。2年目の20歳。高校時代は甲子園に出ていない。全国的にはまったくの無名の存在だった。

 2018年夏の高校野球埼玉大会。松岡がいた県立桶川西高は初戦、前年の全国王者、花咲徳栄高にコールド負けした。

 1―10。大敗の中で強烈な光を放ったのが松岡だった。背番号は5。打っては4番として3打数3安打。2番手としてマウンドに上がると、140キロを超える速球を投げ込んだ。点差はついたが、松岡を中心に必死にくらいつく桶川西が印象的な試合だった。

 「あそこまでの選手になるとは思ってなかった。現役の部員には励みになりますよね。『おれもやればできるんだ』って」

 そう懐かしむのは、桶川西で松岡を指導した鈴木良・前監督(59)だ。

 地元・桶川中の野球部で遊撃手だった松岡と、一塁手だった左投げの並木隆幸が桶川西の「二枚看板」だった。部員10人で冬を越え、春に入った5人の1年生と計15人で挑んだ夏だった。

 小所帯ゆえ、鈴木さんは入学以来、松岡に捕手や投手もやらせた。食事やトレーニングの重要性に加え、配球論や状況判断など徹底的に野球を教えた。

 「打倒私学」。公立の意地だった。

 「私が教員になったころは…

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