猿橋賞に東工大の田中幹子さん 手足の発生と進化を研究

神宮司実玲
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 「女性科学者に明るい未来をの会」(石田瑞穂会長)は22日、自然科学の分野で優れた業績を上げた女性科学者をたたえる第41回の猿橋賞を、東工大教授の田中幹子さん(50)に贈ると発表した。

 田中さんは、脊椎(せきつい)動物の手足の発生と進化を研究。胎児の手足の先端にある水かきのような部分の細胞が失われて指ができる仕組みについて、活性酸素の働きで「細胞死」が起きていることを示した。

 田中さんは、会見で、「伝統ある賞を頂いて、とても光栄です。先輩方のおかげで、性別関係無く活躍できる場になっていると思う。サイエンスを追究する人が増えたらうれしい」と話した。

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〈猿橋賞〉女性科学者に光を当てようと、地球化学者の猿橋勝子さん(1920~2007)が1980年に創設した。自然科学分野の研究で優れた業績を上げた女性に毎年贈られる。賞金は30万円。50歳未満の若手が対象で、「女性研究者の登竜門」と言われる。

 猿橋さんは43年に帝国女子理学専門学校(現・東邦大理学部)を第1回生として卒業。54年に米国が行ったビキニ水爆実験後の「死の灰」による放射能汚染を分析し、日本近海まで放射性物質が到達したことを突き止めるなど、地球化学者として実態解明に尽力した。

 81年には女性として初めて日本学術会議会員に選ばれた。

 猿橋賞を主催する「女性科学者に明るい未来をの会」は、賛助会員や寄付を募っている。詳しくは、公式サイト(http://www.saruhashi.net別ウインドウで開きます)へ。(神宮司実玲)