米FRB「デジタルドル」本格検討へ 先行する中国意識

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ワシントン=青山直篤、北京=西山明宏 津阪直樹
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 米連邦準備制度理事会(FRB)は20日、中央銀行が発行するデジタル通貨(CBDC)について、今夏に討議のための資料を公表すると発表した。導入を急ぐ中国に比べ慎重姿勢を保ってきたが、暗号資産(仮想通貨)の急成長に伴うリスクも高まっている。「デジタルドル」導入の議論を本格化させ、基軸通貨ドルの地位の維持を図る。

 FRBのパウエル議長は異例のビデオ声明で、利点とリスクを整理した討議資料について「幅広い議論を促す」ためだと説明。「我々が最終的に(発行の可否について)どのような結論を出すにせよ、CBDCを巡る国際的な標準の策定にあたり、主導的な役割を果たすつもりだ」と述べた。

 パウエル氏は「我々の焦点は安全で効率的な決済システムの確保だ」と強調。中銀が独占的に発行する法定通貨の枠外で勢いを増してきたビットコインなどの仮想通貨について、「便利な決済手段としては機能していない」と言及した。法定通貨を裏付けにする「ステーブルコイン」に対しても「利用者や金融システムにリスクをもたらしうる」との懸念を改めて示した。

 仮想通貨については、コロナ危機後の空前の財政金融政策であふれた資金が流れ込み、上げ相場を続けてきた一方、最近は急落するなど不安定な値動きが目立つ。米財務省も20日、1万ドル(約109万円)超の暗号資産を受け取った企業に報告させる方針を示し、監視を強めようとしている。

 スマートフォンのアプリなどを通じて使えるCBDCは、サイバー攻撃に遭ったり、金融政策や金融システムの安定性を揺さぶったりするなどのリスクもはらむ。世界中で使われる基軸通貨ドルでの導入にFRBが慎重だったのはこのためだ。パウエル氏は「CBDCがどのようなものになるにせよ、現金や銀行預金といった既存のドル通貨を補完するもので、置き換えることはない」とも強調した。

 ここにきて米国が議論を加速…

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