4月の携帯代、新プランで大幅減 増えたお金の使い道は

古賀大己、山本知弘
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 総務省が21日発表した4月の消費者物価指数(2015年=100)で、携帯電話料金の水準が1年前の同じ月より26・5%下がり、下落幅は過去最大となった。菅義偉首相の強い意向で、携帯大手が従来より安い料金プランを相次いで導入した影響だ。だが、首相が狙っていた消費を喚起する効果は、コロナ禍で当面は限定的となりそうだ。

 4月の携帯電話料金の水準は、15年の平均を100とした指数で62・0。前年同月からの下落幅は比較できる00年以降で最大だった。前月の3月と比べても過去最大の27・6%下がった。

 原因は、菅氏が昨年9月の首相就任後、目玉政策に掲げた携帯料金の値下げだ。総務相の経験もある菅氏は、携帯料金は「4割程度下げる余地がある」というのが持論。これを受け、携帯大手3社は3月後半から「オンライン専用」の新料金プランを開始。20ギガバイトで月額3千円を切り、既存プランより大幅に安くなった。NTTドコモでは新プラン「ahamo(アハモ)」の契約件数が4月末までに100万件を超え、KDDIの「povo(ポヴォ)」も100万件に迫るという。

 消費者物価の調査では、携帯電話料金は毎月12日前後に調べており、値下げの影響は4月に初めて反映された。代表的な指数の「生鮮食品を除く総合指数」は、エネルギー価格の上昇などで、前年同月比0・1%減の101・5だったが、携帯電話料金はこの指数を0・5%分程度引き下げる要因となった。

 首相が携帯値下げにこだわった背景には、国際比較で割高な料金を安くして家計が使えるお金を増やし、消費を盛り上げるという狙いがあった。しかし、足元ではコロナ禍で外出自粛や時短営業が続く。ニッセイ基礎研究所の斎藤太郎氏は「携帯電話料金が下がれば、家計にはプラスだ。経済がよい状態なら、増えた可処分所得が消費に回り、経済によい効果が出る。しかし、現在はコロナ禍で行動制限されているため、消費にはつながらず、貯蓄に回るだろう。コロナ後にならなければ、経済への好影響は出てこない」と話す。(古賀大己、山本知弘)