野生ライチョウ本番前準備

小野智美
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 今夏に長野・中央アルプスで暮らす野生のライチョウ親子を迎え入れる那須どうぶつ王国(栃木県那須町)で20日、本番を想定したシミュレーション飼育が始まった。同園で飼育中のライチョウ5羽を新設した野生復帰順化施設に移した。施設の改善点、飼育手順などを洗い出していくという。

 同園は野生のライチョウを中央アルプスの山に増やす「復活作戦」に参加している。同園では人工繁殖などで育てた9羽のライチョウを飼育中で、今回5羽を順化施設に移した。獣医師らは本番さながらに、施設入り口で靴を履き替え、履き替えた靴底も消毒した。

 ライチョウが突然、高さ4メートルの天窓に向かって飛ぶなど施設の改善点を示す動きもあり、佐藤哲也園長は「本番でなくてよかった」と話した。一般公開しないが、屋外放飼場の外側には歩道を設けた。人が歩くことで、野生の母子が遭遇する可能性がある登山者に慣れる訓練をするという。

 7月中旬までシミュレーション飼育を続け、野生の母子を8月4日に迎え入れる。ただ春の繁殖が順調に進まなければ延期となり、シミュレーションを続ける予定。得られた知見は、復活作戦に参加する茶臼山動物園長野市)など他の動物園と共有するという。(小野智美)