福岡5区の分裂回避へ自民県連説得強める 野党に危機感

神野勇人
[PR]

 自民党福岡県連は、次期衆院選の福岡5区に立候補する意向を示している自民党県議で新顔の栗原渉氏(55)側に対し、立候補を断念するよう説得を強めている。自民現職の原田義昭・前環境相(76)が立候補の意向を示し、党本部も公認する方針を示すなか、保守分裂を避けて野党に対抗する狙いがある。

 複数の関係者によると、県連の原口剣生会長ら幹部は14日、栗原氏を後押しする5区の党支部幹部らと面会。党本部が示す「現職優先」の方針を改めて伝え、栗原氏の立候補断念を促した。支部側からは異論が出たという。

 県連は面会の内容を党本部に伝えたうえで、6月下旬ごろに、原田氏を公認するとの党本部の方針を追認するとみられる。

 5区では昨年から原田、栗原両氏が出馬の意向を示し、自民党公認を争ってきた。党本部は昨年12月、「次期衆院選は原田氏を公認し、原田氏が栗原氏を後継指名する」との案を示し、県連側に候補者の一本化を促した。

 これを受けて原田氏は次の任期を最後に衆院議員を引退する意向を表明。それでも栗原氏は「無所属でも立候補する」と出馬の意向を変えず、有力団体の県農政連は3月、栗原氏の推薦を決めるなど保守分裂の可能性が高まっていた。

 県連が分裂回避を急ぐ背景には、野党候補への危機感がある。立憲民主党は4月、地元出身の堤かなめ県議(60)の擁立を決定。菅政権初の国政選挙となった4月の衆参3選挙で全敗するなど自民党への逆風は強まっており、保守分裂となれば原田、栗原両氏が共倒れすると危惧している。

 5区では他に共産新顔の古賀新悟氏(56)が立候補を予定している。(神野勇人)