水戸にゲストハウス 宿泊者に地元人とつながる場を

ライター・神野泰司
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 【茨城】宿泊者に、地元の人たちとの交流を通じて茨城や水戸の良さを知ってもらいたい。そんな思いを込めたゲストハウスが今春、水戸市柳町にオープンした。

 施設名は「水戸宿泊交流場」。発案者で同市出身の建築家、中村彩乃さん(36)が有志とともに空き家となっていた元漁網店の古民家を改装して運営する。土間と居間に共用スペースがあり、最大9人が泊まれる。台所を備え、バス・トイレは共同。季節によって変動はあるが、1人1泊4500円(素泊まり)。

 縁側や壁、台所、風呂場は昭和を感じさせる造り。知り合いの大工に作ってもらったテーブルや、友人のアーティストがふすまに描いた絵がアクセントとなり、懐かしさとのコントラストが面白い。

 オープン当日、近所の老舗酒蔵の協力で酒かすを使ったイベント「ご近所会」が開かれた。県内外から5人が参加し、インドの伝統医学アーユルヴェーダを応用した酒かすのフェースパックを体験。酒かすのスムージーを味わい、干し芋に溶かしたギーを付けて食べた。

 参加した埼玉県の女性は宿泊第1号となった。「地元の方とフレンドリーに交流できたし、ゲストハウスは古き良き昭和の香りでユニーク。また遊びに来たい」と話した。

 中村さんは都内で建築家として働く傍ら、様々な業種の人たちが新たな社会的価値の創出を目指すコミュニティー「SHIBUYA QWS(渋谷キューズ)」に参加。まちづくりや伝統工芸継承のプロジェクトに取り組んでいる。

 ゲストハウスもその一環だ。県が主催する移住促進事業のマッチングコンペ企画に「水戸宿泊交流場」の案で挑戦。MVPは逃したが、参加25組の中からファイナリスト7組に選ばれた。高校時代の友人や後輩、コンペで知り合った人も加わり、実現に向けて動き出した。

 人と人がつながるきっかけを生む場所にしたいという中村さん。そこから何かのビジネスが派生すればと考えている。「私たちが楽しいと思うことを同様に楽しいと感じる人と一緒に進めていきたい」

 ご近所会は、近所の商店主や住民に呼び掛けて定期的に開催する予定だ。(ライター・神野泰司)