東京五輪、強まるワクチン頼み 大会関係者へ接種も

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前田大輔、小野太郎 荻原千明、河崎優子、稲垣康介
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 海外で新型コロナウイルスのワクチン接種が広がるなか、東京五輪に参加する選手や関係者にも接種を促す動きが加速している。開幕まで約2カ月。来日する約8万人の関係者やメディアの行動をどう制限し、感染拡大を防ぐのか。議論は大詰めを迎えている。

 国際オリンピック委員会(IOC)で東京大会の準備状況を監督する責任者のジョン・コーツ副会長がこの日、「緊急事態宣言下でも大会を開ける」との認識を示したことについて、大会組織委員会の幹部は「本当に宣言中にできるのかは、国民も疑問に思うし、慎重にやっていかないといけないが、宣言下でもテスト大会はやっていたので、安全性を担保していくということだろう」と話した。

 コーツ副会長はこの日、「ワクチンに関する議論もできた」とも述べた。新型コロナウイルスへの対策をめぐっては、IOCと日本側はともに「ワクチン接種を前提とせずに、安全で安心な大会を開く」と繰り返してきた。だが、IOCと米製薬大手ファイザー社などが今月6日、各国・地域の選手団向けに無償提供を受けることで合意してからは、ワクチン頼みの姿勢が強まっている。

 コーツ副会長はこの日の総括会見で「選手村(ベッド数は五輪で1万8千台)に居住予定の75%がすでにワクチン接種をしているか、ワクチンを確保している。大会時には80%を超えるだろう」と述べた。また、「選手との接触が多い人についても協力する用意がある」と述べ、日本の大会関係者に対するワクチン確保の可能性に言及した。

 IOCのトーマス・バッハ会長は19日、中止や延期を求める日本国内の世論を意識し「日本人を守ることが重要」と強調。「できるだけ多くの大会参加者がワクチンを接種したうえで来日することになるよう、IOCは努力する」とした。

 国内では高齢者のワクチン接種を7月末までに終わらせるという政府目標がある。五輪関係者について、丸川珠代五輪相は6日時点ではボランティア8万人への優先接種は想定していなかったが「打たないとIOCも心配するだろう」と話す官邸幹部もいる。さらに丸川五輪相は21日の閣議後会見で、報道関係者についても「調整委での議論を踏まえ、どう対応すべきかは話を詰めたい」と言及した。

 ある大会関係者は「欧米ではワクチン接種が進んでおり、新型コロナに対する状況が明らかに変わっている」と話す。6月に最終版を発行する大会時の選手や関係者の行動に関するルールブック(プレーブック)について「ワクチンを打っている人と、打っていない人が同じ扱いでいいのか議論がある」と明かす。(前田大輔、小野太郎)

 この日の調整委員会では1万5千人の選手のほか、7万8千人の大会関係者が世界中から来日予定と明らかになった。選手村などで徹底隔離される選手と違い、条件を満たせば市中に出られる大会関係者やメディアの感染対策が課題だ。

 五輪に向けた飛び込みのテス…

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