地震被災の京大火山研、復旧お披露目 震災の教訓発信も

城戸康秀
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 熊本地震で被災した京都大火山研究センター(南阿蘇村河陽)の本館建物が復旧し、研究活動も再開された。10日には披露式と見学会が開かれ、同村の吉良清一村長や阿蘇市の佐藤義興市長をはじめ地元関係者らが訪れた。今後は火山観測や研究だけでなく、震災の教訓を発信する取り組みにも力を入れるという。

 センターは1928(昭和3)年に設立。翌29年に完成した建物は2012年に国の登録有形文化財になっていた。関東大震災の経験かられんがではなく、鉄筋コンクリート造りとなったが、16年4月16日の熊本地震では大きな地滑りと揺れで建物の基礎をはじめ内部も激しく損傷した。

 見学会のガイド役を務めた大倉敬宏教授は地震発生当時、1人で建物4階に泊まっていて、ベッドから放り出されるような揺れを経験。幸いけがはなかったが、建物の被害は大きく、修復・存続は難しいと覚悟したという。

 しかし、被災状況の確認や地盤の調査を経て、復旧を進めることが決定。19年から基礎の補強や最大29センチあまり沈下した建物をジャッキアップするなどの作業が行われ、今年1月までに工事を終えた。

 阿蘇市内の旧小学校舎などで続けてきた研究活動も3月半ばに本館で再開。大規模な地滑りについて同大防災研究所との共同研究にも着手した。大倉教授は「熊本の教訓を他の地域にも伝えていく、防災力の向上のための熊本からの発信に取り組みたい」と語り、震災語り部やガイドらとの交流を進める考えを示した。(城戸康秀)