「不自由だけは経験した」県職員採用に真っ赤なポスター

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小野大輔
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 「不自由だけは経験した。」

 兵庫県は今年度の職員募集に、こんなキャッチコピーを採用した。鮮やかな赤色に文字だけのポスターが目を引く。どんな狙いがあるのか。担当者に聞いた。

 職員採用を担う県人事委員会任用課によると、念頭にあったのはコロナ禍なのだという。

 休校で大学に通えなかったり、バイト先が営業を自粛したりして、思うようにいかない学生生活。自身をPRできるような経験を積めなかったのでは――。

 採用担当者が懸念したのは、面接でお決まりの質問、「学生時代に力を入れたことは?」だ。

 「誰もがコロナに向き合ってきた。その不自由を『経験』として、思い切り語ってくれればいい、とエールを送りたかった」と森本剛史・任用課長は話す。

 このコンセプトをもとに、言葉を紡いだのは県広報プロデューサーの有田佳浩さん。メディア戦略に携わる民間の専門家で、2018年から非常勤職員として県の広報戦略も担う。

 有田さんが関わるようになってから、県は挑戦的なコピーを使ってきた。

 最初の19年度は「好きだからつきあうか、つきあってから好きになるか。これってけっこうな問題だ。」。

 昨年度は「やりたいことを見つけるって そんなに簡単じゃない。」。

 職員の顔やマスコットが登場する従来のポスターから、文字だけに一新。まず足を止め、ゆっくり読んで働く意味を考えてもらう、という狙いだという。

 広報に力を入れる背景には…

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