照ノ富士追う不気味な実力者 14日目に直接対決へ

鈴木健輔
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(21日、大相撲夏場所13日目)

 照ノ富士が断然優位に立った賜杯(しはい)争いに、不気味な力士が顔を出した。遠藤だ。

 結び、貴景勝戦。一方的に押された遠藤は、右足が俵にかかった瞬間、体を大きく左に開いた。前のめりになった大関は土俵下にダイブ。

 「とっさに体が反応してくれた。今日はどうしても勝ちたかった」と遠藤。大関を自分と同じ3敗に引きずり下ろした。普段寡黙で報道陣の取材になかなか応じてくれない30歳も、この日はテレビインタビューで感情的な表情を見せた。

 先場所けがで途中休場したため、地位は西前頭8枚目。本来なら大関戦が組まれる地位ではない。それが自身の好成績に加え、カド番脱出にきゅうきゅうとしていた正代のふがいなさ、朝乃山の急な休場もあって巡ってきた上位との対戦だ。14日目には照ノ富士戦が組まれた。

 両者は過去の対戦成績は4勝4敗。照ノ富士からみれば、直近3連勝中だった正代や5戦負けなしだった朝乃山よりも嫌な相手ではないだろうか。

 誰もが認める技術がありながら、遠藤は何度も何度も、けがに泣かされてきた。今場所、優勝の可能性を残すが、「ぴんとこない」とそっけない。まずは、千秋楽まで優勝争いを持ち込むこと。「(期待に)応えられるように頑張ります」。実力者が無欲なのだから、ますます怖い。(鈴木健輔)