不調の8番打者が同点弾 取り返す力つけた関東第一打線

山口史朗
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 東京勢として15年ぶりの優勝へ。関東第一が春季高校野球関東大会の準決勝を6―5のサヨナラ勝ちで突破し、決勝進出を決めた。今春の選抜大会に出場した常総学院(茨城)との一戦で躍動したのは、絶不調の8番打者だった。

 2―4と逆転された直後の七回。1死一塁で打席が回ってきた8番立花大地(3年)は「ここまで全然打てていなかった」。今大会は前の打席まで8打数1安打。打順も都大会の2番から8番に落ちていた。

 だが、「気持ちで負けない」。追い込まれてからの4球目。内角高めの直球を振ると、打球は左翼ポール際へ飛んだ。

 「切れるか、切れないか」。審判がグルグルと手を回すのを見て、高校生になってから初めての本塁打になったと分かった。

 1点をリードされた九回は1死一塁から好機を広げる中前安打。その後、2死一、二塁から、染谷真ノ介(3年)の中前安打に相手の失策が絡む間に、一気にサヨナラの本塁にかえってきた。

 今大会3勝のうち、2試合がサヨナラ勝ち。終盤、常総に2度のリードを許す展開にも、「集中力が途切れなかった」と立花。ベンチに座らず、選手全員が最前列に陣取るのがチームの決めごと。関東第一のベンチは常に活気にあふれていた。

 秋の都大会で敗れた東海大菅生、この日の常総学院と、この春は選抜に出場した2校を撃破。秋はベンチ外だった鈴木義信が好投するなど、チーム力の底上げにも成功した。

 「3年生の意地がすごく出てきた。秋はエースの市川祐が投げて守り勝つ野球だったが、春はリードされてもひっくり返せるようになった」と米沢貴光監督。

 夏に向けて確かな収穫を手にしている。山口史朗