途上国の石炭火力支援停止へ 全廃反対の日本、欧米と差
主要7カ国(G7)気候・環境相会合は21日、途上国などに建設する石炭火力発電について、各国に「裁量」を認めつつ、新たな公的支援をやめるための措置を年内にとることなどを盛り込んだ共同声明を採択した。2050年の温室効果ガスの排出実質ゼロに向けて、石炭火力の廃止を進める欧米からは歓迎の声が上がるものの、使い続ける日本との温度差があらわになった。
20日からオンラインで開かれた会合には、小泉進次郎環境相や梶山弘志経済産業相らが参加。英国で来月開かれるG7サミットや、11月の国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP26)での議論につなげる。
声明では、産業革命からの気温上昇を2度未満、可能なら1・5度に抑えるというパリ協定の目標からさらに踏み込み、1・5度に抑える努力を加速させるとした。各国が50年までに排出実質ゼロをめざすことでも一致。その上で、排出量の多い石炭火力発電を再生可能エネルギーなどに転換し、30年代には電力の大部分を脱炭素化するとした。
石炭火力については、「気温上昇の唯一最大の原因」との認識で一致。各国の「裁量」を認めるとの条件付きながら、二酸化炭素(CO2)の回収・利用・貯留(CCUS)設備など排出削減策がないものは、新たな国際的な公的支援について、「年内に全面的な終了に向かう具体的なステップをとる」と踏み込んだ。
米国のケリー大統領特使(気候変動問題担当)は、会合後の記者会見で「日本が今後の道のりについて一致団結するための重要な努力をした」と国名を挙げて持ち上げた。ポンピリ仏環境相は石炭火力の公的支援をめぐる合意に「特に日本には難しい決断だったが、この決定的な一歩を踏み出せたことをとてもうれしく思う」とツイッターで歓迎した。
だが、日本政府には難しい決…