米韓「同盟復活」を強調 ワクチン供与・委託生産も協議

有料会員記事

ワシントン=園田耕司、ソウル=鈴木拓也
[PR]

 米韓首脳が21日、ワシントンで会談し、対北朝鮮政策では対話路線で歩調を合わせた。中国をめぐっては、自陣営に韓国を引き寄せたい米国側と、中国との関係を悪化させたくない韓国側の思惑の一致点を示す共同声明となった。

 会談前、両首脳は朝鮮戦争(1950~53)に従軍したパケット米陸軍退役大佐(94)への名誉勲章授与式に参加し、米韓両国に対する同氏の功績をたたえた。バイデン大統領は会談冒頭、「米国と韓国は一緒に犠牲を払った長い歴史をもつ同盟だ」と語り、文在寅(ムンジェイン)大統領も「韓米は70年以上前に結成された力強い同盟だ」と応じた。トランプ前政権でぎくしゃくした米韓関係から、朝鮮戦争やベトナム戦争を一緒に戦った強固な同盟としての復活を印象づけた。

 会談の主要テーマは北朝鮮問題だった。会談後の記者会見でバイデン氏は「米韓は朝鮮半島の非核化という最終的な目標に向け、緊張を和らげる現実的な措置を取り、北朝鮮と外交的に向き合う考え方を共有する」と強調。韓国と緊密に協議するとし、その場でソン・キム国務次官補代行の北朝鮮担当特使への任命を発表する配慮を見せた。

 共同声明には、北朝鮮との非核化交渉について2018年4月の南北首脳による板門店宣言や、同年6月にシンガポールで米朝首脳が出した共同声明を基礎とした対話が欠かせないと明記された。韓国大統領府関係者は「韓国側の強い要望が反映された」と話す。板門店宣言は朝鮮戦争の終戦宣言や経済協力に言及し、米朝共同声明も北朝鮮の安全保証に触れる。

 文氏も、北朝鮮に対価を与えながら段階的な非核化を目指すバイデン政権の「現実的なアプローチ」を歓迎した。「韓米は緊密にやりとりし、対話と外交を通じて北朝鮮へのアプローチを探る」と強調。北朝鮮に「肯定的な反応を期待する」と呼びかけた。

 ただ、両首脳は北朝鮮の制裁緩和の条件などには言及していない。韓国の専門家には「北朝鮮が再び交渉に応じる可能性は低い」(韓国世宗研究所の鄭成長(チョンソンジャン)・北朝鮮研究センター長)との見方が強い。

 共同声明には、日米首脳会談のように中国を名指しする批判はなかったが、「(両首脳は)台湾海峡の平和と安定を維持する重要性を強調する」と明記。さらに、対中牽制(けんせい)を意識した日米豪印(クアッド)の重要性の認識についても盛り込んだ。バイデン政権にとっては、中国問題で慎重な姿勢をとる韓国側から一定の協力を取りつけた成果と言える。

文大統領の懸念

 米韓外交筋によると、文氏が…

この記事は有料会員記事です。残り849文字有料会員になると続きをお読みいただけます。
【1/24まで】2つの記事読み放題コースが今なら2カ月間無料!