トヨタ、水素エンジンでレースに参戦 脱炭素へ開発加速

千葉卓朗
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 トヨタ自動車は、開発中の「水素エンジン車」で24時間耐久レースに参戦した。水素エンジンの仕組みはガソリンエンジンと同じだが、水素が燃料で二酸化炭素(CO2)がほぼ出ない。「脱炭素」を実現する新技術の開発を加速させる狙いだ。

 トヨタはレース参戦を4月に表明。今月21日から富士スピードウェイ静岡県小山町)で開かれている24時間スーパー耐久レースで走行した。トヨタによると、水素だけが燃料のエンジン車による24時間レース参戦は、世界初という。

 車両は、「カローラスポーツ」をレース仕様に改造した。水素が7・3キロ入る4本の燃料タンクを後部座席に搭載している。水素エンジンは、市販のスポーツカー「GRヤリス」のガソリンエンジンがベースで、水素を噴射する装置などをつけた。

 水素自動車の課題は燃費だ。22日のレースでは、30分で約50キロ走行するごと1回のペースで水素を補給。一般的なガソリンエンジンのレース車のほぼ2倍のペースだった。

 レースドライバーとして水素エンジン車を運転した豊田章男社長は、「脱炭素の技術の選択肢を増やす。その新たな一歩が始まった」と話した。市販化や商用化の見通しは未定だが、レースを通じて課題を洗い出し改良を続けるという。(千葉卓朗)