軍配差し違え、照ノ富士が遠藤に敗北 V争いは千秋楽へ

松本龍三郎
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(22日、大相撲夏場所14日目)

 国技館に流れるアナウンスは、軍配差し違えで自身の負けを伝えていた。勝てば優勝という結び前の一番を落とした照ノ富士は、口を真一文字に結び、土俵へ戻って一礼した。

 立ち合いから遠藤にかなり深い両差しを許し、腕をきめながら前へ出る得意の形に持ち込めなかった。中に入られ後退し、強引に小手に振って打開を図った。最後は土俵際で足を掛けて投げに出た。

 深く右下手を引いた遠藤と、投げの打ち合いになった。照ノ富士は土俵に落ちるのをぎりぎりまで我慢し、遠藤をひっくり返したが、左手でさがりをつかまれていた。協議の結果、先に照ノ富士の右腕がついたと判定が下った。

 負け残りの土俵下で、照ノ富士は大粒の汗をかきながら表情を変えなかったように見えた。取材現場に姿を見せず、胸中を語ることはなかった。

 この日の敗北で、遠藤、貴景勝にも優勝の可能性が残った。とは言え、照ノ富士はいぜんとして有利な立場だ。楽日の結びで勝てば、2場所続けて賜杯(しはい)を手にする。まげつかみの反則により連勝が10で止まった翌日も「昨日のことは昨日で。今日は今日」ときっちり切り替えてみせた。3度の優勝経験を誇る、29歳。この程度で心が揺らぐような「横綱候補」ではないはずだ。(松本龍三郎)

 ○遠藤 照ノ富士の優勝を阻み、勝ち名乗りの後にニヤリ。「我慢して相撲をとってよかったなと。きょうも1日、無事終わったなという感じです」。優勝争いの感想を問われても、さばさば。「まだピンとこないですけど、最後しっかり集中してやるだけです」